新規事業のリーダーがいないと嘆く前に

「新規事業を担えるリーダーがいない」とリーダーシップを鍛えるセミナーや研修制度を考えている企業は多いです。果たして本当にリーダーが自社にいないのか?私はリーダーがいないのではなく、リーダーがいない!と「嘆く人自身が思うリーダーシップ像」に当てはまる人がいないだけではないのか?と思うことがあります。


肩書き・環境が人を作る

まずは任せてみる。この任せてみる。ができないでいる会社が多いのです。

しかし肩書きを侮ってはいけません。中には社員たちの肩書きを変えただけで会社の売り上げを向上させた会社もあるんです。初めは肩書きに似合わない人でも環境と肩書きがそれに見合ったパフォーマンスを出すようになるのはよく言われています。

リーダー論・リーダー像に囚われない

この時にリーダー論、リーダー像という小さな固定観念に囚われないようにする必要があります。

何故ならリーダーでも様々なリーダーがいますよね。圧倒的な実力で背中を見せて引っ張るタイプもいれば、コミュニケーション能力が優れていてメンバーの想いや感情を理解してあげられるタイプもいます。チームの士気をあげるのが非常にうまいタイプのリーダーもいます。リーダーのタイプというのも人によって全然違う。ということです。ここではどのリーダータイプがいいとか悪いではなく100人いれば100通りのリーダー論・リーダー像があるということです。

目的は新規事業の成功

どのようなリーダーを求めるのか?というのが企業にとっての目的ではないはずです。

目的はあくまで新規事業の成功であり、会社の成長に貢献してくれる人です。

なのでリーダーにも多くのタイプがあると言うことをまずは理解した上で新規事業のリーダーを選任するのが最も良いのは言うまでもありませんね。しかし特に中小企業だと経営者や幹部クラスの趣味嗜好がビジネスの場にまで及んでいるケースも見受けられます。ゴリゴリの営業畑出身の部長が選任するのはゴリゴリの営業タイプの人がリーダーに選ばれやすいです。まぁこれには業種やビジネスモデルにもよりますが、こういった経営者や幹部クラスの色が濃く出ているのも中小企業ベンチャーのいいところでもあると言う見方もできます。まぁ人事異動の記事は別で書くことにします。

社内公募制にしても集まらない理由

「新規事業リーダー」=「サービス残業は当たり前」と思われている。

今までに成功した試しがない。など社員の中で「新規事業」=「めんどくさい・できれば関わりたくないもの」と認識がある場合もあります。そのように社員たちに思われていたら新規事業なんて絶対に成功しません。ただでさえ成功率が低いと言われている新規事業の成功ですからヤル気・情熱のない人を表面的な能力だけで「お前やってくれ」なんて言われても成功するはずがありません。

やる気・情熱の引き出し方

リーダーになる人にはやる気&情熱が最も重要です。彼らのやる気・情熱を引き出すには何が必要でしょうか?答えは簡単です。野放しにしておく。ほっておく。意見求められても否定的にならない。むしろ彼らのやりたいことに興味を持ち耳を傾ける。

広い心で「あいつらならやってくれるだろう」と信じて待つ。

あとは彼らの足りないリソースをカバーしてあげて環境を整えてあげればいいのです。

やる気・情熱の部分はまた別記事に分けて詳しく書こうと思います。

新規事業リーダーはどこに・誰にフォーカスしている?

多くの新規事業リーダーは「これがやりたいけど上司がいい顔しないんだよな。。」とか「この機能はあの人が反対してたから。。」とフォーカスしているところが上司とか幹部とか経営者なのです。これっておかしいと思いませんか?

こんな声が聞こえてきそうです「サラリーマンだから上司の機嫌を伺って物事進めるのは仕方ありません」??

その機嫌をとったが故に、新規事業が失敗したら誰も幸せにはなれないんですけどね。

新規事業は上司や幹部、経営者のためにあるのか?いいえ違います。その新規事業によって誰かの役に立ったり問題を解決したりするために創るんですよね?フォーカスする場所が間違っている事業に成功はありえません。

見方を変えればリーダー候補だらけ

結局のところ上司や幹部などに気を使ってそれとなくこなしてしまう優等生タイプの人が新規事業を担うリーダーになってしまっては成功率は低いのかもしれません。幹部が「うちの会社を潰すようなサービス・事業考えてくれよぉ」と言ってそれでメラメラやる気が出て本気で下克上を叩きつけてくる社員でないと、それくらいのある意味、組織におったらアカンやつ、ぶっ飛んだやつ、って言うのが新規事業リーダーという枠組みでは最高の人材なのかもしれません。

新規事業リーダーは「一人の起業家」としての意識改革も必要でしょう。

しかし新規事業リーダーがいないと嘆く前に公募制でも何でもとにかくやらせてみるのが一番だというのは社内ベンチャーを数多く成功させているサイバーエージェントの藤田社長も言っていますからね。




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